あめあがりの会では、わが子の非行とそれに寄り添い、向き合ってきた親たちの体験談、自身の非行とそこから立ち直っていくまでの赤裸々な体験などを、会報紙「あめあがり通信」や書籍を通してご紹介してきました。

親、当事者、教育関係者など、それぞれの立場から非行問題を考える一助にしていただければ幸いです。

非行体験記集

非行を体験した当事者である子どもはもちろん、彼らとともに生きる親・きょうだい・教師たちも含めた、非行体験を赤裸々に綴った稀有な体験記集です。

第1集『ARASHI(嵐)―その時』

「非行」と向き合う親たちの会・著
新科学出版社・刊

『ARASHI その時』は、少年非行に直面した親や教師たちが、その瞬間どう向き合い、何を感じ、どう乗り越えたのかを描いた手記集です。たとえば「息子がバイクを盗み、警察からの連絡で初めて事態を知った」という母親の告白や、「教え子が薬物所持で補導されたとき、自分の無力さを痛感した」という教師の声など、非行の“そのとき”のリアルが生々しく語られます。

一見平穏だった日常が崩れる瞬間の戸惑いと苦しみ、そしてそこから始まる再出発の物語は、読者の心に深く響きます。非行は遠い話ではなく、誰にでも起こりうる現実であることを教えてくれる一冊です。

第2集『KIZUNA(絆)―親・子・教師の「非行」体験』

「非行」と向き合う親たちの会・著
新科学出版社・刊

『KIZUNA』は、親・子ども・学校関係者がそれぞれの立場から語る非行体験を通じて、「絆」の意味を深く問いかける手記集です。たとえば「息子が万引きを繰り返し、家庭では暴れるようになった」と語る母親や、「退学寸前の生徒を何とか支えた」と振り返る教頭の話など、苦悩と葛藤の中で少しずつ築かれていく信頼関係が綴られています。

一度壊れた親子関係が、互いの思いに触れることで再びつながっていく様子は、読者に深い感動を与えます。非行の陰にある孤立と、そこから生まれる再生の力を描いた一冊です。

第3集『NAMIDA(涙)-それぞれの軌跡』

「非行」と向き合う親たちの会・著
新科学出版社・刊

『NAMIDA』は、非行に関わる当事者たちの心の奥底に流れる“涙”をテーマにした、当事者本人とそのきょうだいによる体験記集です。

「家庭内暴力を受け続け、やがて加害者になった」という青年の声や、「息子の暴走を止められず、自分を責め続けた」という父親の記録など、非行の背景にある苦しみや愛情の不器用な表現が生々しく描かれています。

涙は弱さではなく、変わりたい、わかってほしいという切実な叫びでもあります。それぞれの涙がやがて和解や再出発への一歩となっていく様子に、読む者もまた胸を打たれるでしょう。

第4集『MICHI(道)―前を向いて歩き続けるために』

「非行」と向き合う親たちの会・著
新科学出版社・刊

『道』は、非行を経験した子どもたち自身の視点と、彼らを支えた親や支援者のまなざしが交差する体験記集です。

「自分を守るために暴力を選んだ」と語る少年や、「子どもを信じることがどれほど難しいかを知った」と振り返る母親の声など、それぞれの“道”のりが真摯に綴られています。

間違った選択をした過去と向き合い、再び歩き出す姿は、非行の表層だけでは見えない心の軌跡を浮かび上がらせます。非行を「過ち」ではなく「通ってきた道」として見つめなおす力を与えてくれる一冊です。

「あめあがり通信」掲載の連載

あめあがりの会の会報として毎月発行している「あめあがり通信」。その中で綴られてきたさまざまな立場の人々の連載をまとめた手記です。

『こんな思春期 あんな青年期 ─誰にだって青い時代はあった』

「非行」と向き合う親たちの会・編
新科学出版社・刊

思春期の子どもたちが見せる多様な行動や心の葛藤を、実際のケースをもとに描いた本書は、親や教師にとっての気づきと共感に満ちた一冊です。

「突然、口をきかなくなった娘」「万引きを繰り返す息子」といったエピソードが、表面的な“問題行動”の裏にある、子どもの不安や自己主張として読み解かれます。

思春期とは何か、どう関わればいいのかを考えるうえでのヒントがつまった、温かくも現実的なガイドブックです。

「非行」と向き合う親たちの会の発足の意味がわかる本

「非行」―親・教師・調査官が語る子どもたちの「いま」

「非行」と向き合う親たちの会・著
新科学出版社・刊

非行に関わる大人たちの視点から、子どもたちの“いま”を立体的に描き出す本書。補導歴のある少年と向き合う調査官、問題行動を起こした教え子を支える教師、突然非行に走った子を持つ親、それぞれの語りが交差します。事件の背景にある家庭や学校、社会の姿が浮かび上がり、単なる“悪い子”では片付けられない現実を私たちに突きつけます。支援とは何か、人を理解するとは何かを問いかける一冊です。

あめあがりハンドブック

「あめあがりの会」学習会の講演記録です。

1『人生を愛することと 人生をたたかうことと』

竹内常一・著(元國學院大學名誉教授)
あめあがりの会・発行

2『自立する若者に寄り添って』

三好洋子・著(自立援助ホーム 元寮母)
あめあがりの会・発行

3『非行」の子どもと向き合って―ダメな人間なんてひとりもいない』

小澤直樹・著(元少年院長)
あめあがりの会・発行

4『子どもたちの心を見つめて―非行の子どもたちの立ち直りをどう支えるか』

木村恵子・著(元少年鑑別所長)
あめあがりの会・発行

5『非行少年の立ち直りを支える』

相澤 仁・著(大学教授、元児童自立施設長)
あめあがりの会・発行

6『私が出会った少年たち』

能重真作・著(元中学校教師、あめあがりの会初代代表)
あめあがりの会・発行

おすすめの本

非行克服支援センター、「非行」に関する研究者、非行を経験した当事者やその家族たちの声をまとめた書籍などです。それぞれの立場からの「非行」に対するアプローチを知ることができます。

『語りが生まれ、拡がるところ―「非行」と向き合う親たちのセルフヘルプ・グループの実践と機能』

北村 篤司・著
新科学出版社・刊

あめあがりの会に学生時代から参加してきた著者が、「語り」の力と、広がり、変化の役割と意味を問う力作。

子どもの非行に悩む親たちが、自らの体験を語り合い、支え合うことで力を得ていく――本書は、そんなセルフヘルプ・グループ(SHG)の活動を追った実践記録です。

自責の念や孤立の中で言葉を失っていた親たちが、他者の語りを通じて自分を見つめなおし、再び声を取り戻していく過程が丁寧に描かれています。支援される側から、支援し合う側へと変わっていく力強さが胸を打ちます。

『いつか雨はあがるから―支え合う「非行」と向き合う親たちの中で』

能重真作・浅川道雄・春野すみれ・著
かもがわ出版・刊

子育ては、晴れの日ばかりではない。嵐でも支え合うことができれば、雨が上がるまでの日々を歩いて行ける。親や子どもに関わる人への多方面からのメッセージ。

子どもの非行に直面し、悩み苦しむ親たちが集い、語り合うことで少しずつ変化していく姿を記した本書。子どもにどう接していいか分からない、誰にも相談できない……そんな思いを抱えた親が、「同じ思いの人がいた」ことで救われ、前を向いていきます。

どんなに激しい嵐でも、やがて雨はあがる。体験と支え合いの力がもたらす希望を伝える、共感と再生の記録です。

『何が非行に追い立て、何が立ち直る力となるか―「非行」に走った少年をめぐる諸問題とそこからの立ち直りに関する調査研究』

NPO法人非行克服支援センター・編
新科学出版社・刊

少年非行の背景と立ち直りの要因を、非行少年だった青年42人への詳細なインタビューと、非行の子どもを持つ親215人へのアンケート調査という、実際のデータと事例を通して明らかにする調査研究報告書。子どもたちを追い詰めるものはないか、そして非行克服への力とは何か。関係者必携の書。

家庭環境、学校との関係、友人とのつながり、社会資源へのアクセス――非行に至る道筋も、そこから立ち直る力も多様であることが見えてきます。少年たちの声に耳を傾けることの重要性と、立ち直りに必要な支援の在り方を、多角的に検証する一冊です。

『非行 そのとき家族に何が起きているか―親・きょうだいの視点による調査研究』

NPO法人非行克服支援センター・編
新科学出版社・刊

非行は「本人の問題」ではなく、「家族の出来事」でもある。本書は、非行に直面したときの家族の変化や感情に注目し、親やきょうだいの語りを通じて“家族の非行体験”を描き出します。

同時に、家族に「非行」問題が起きたとき、親は、きょうだいは、親戚はどうしているか。初めての非行のきょうだいへの聞き取りから新たな課題が浮かび上がります。家族全体に支援をするとはどういうことか。地域や学校、支援者は何ができるかを明らかにしていきます。

動揺、怒り、罪悪感、諦め、そして支え合い――家族の姿は複雑でありながらも、どこか共通する道筋があります。非行の中で、家族がどう壊れ、どう再生していくのかを見つめた、貴重な調査記録です。

『セカンドチャンス! ―人生が変わった少年院出院者たち』

セカンドチャンス!・編
新科学出版社・刊

少年院出院者が支え合う居場所―NPO法人セカンドチャンス! 誕生への歩みと、発足に参加した8人の当事者たちの赤裸々な手記です。

非行により少年院に送致された若者たちが、どう立ち直り、人生を再出発させたかを追うドキュメント集。過去を背負いながらも、「働く」「学ぶ」「家族と向き合う」などの努力を続ける彼らの姿は、“更生”の意味を深く考えさせます。

誰にでも“やり直す”機会があるべきだという、シンプルで力強いメッセージが込められた、希望と現実を描いた一冊です。

『あの頃、ボクらは少年院にいた―セカンドチャンス! 16人のストーリー』

セカンドチャンス!・編
新科学出版社・刊

NPO法人セカンドチャンス! による待望の手記第2弾。少年院を経験した16人の若者たちが、自分の言葉で語る実録ストーリー集です。

非行に走った理由、院内での生活、出院後の苦しみと挑戦――どの話も個性的でリアルですが、共通しているのは「もう一度人生をやり直したい」という思い。過去を否定せずに受け止め、未来を模索する姿は、読者に「人は変われる」という真実を教えてくれます。中高生にも届く言葉がつまった一冊です。

「思春期問題」シリーズ

「非行」に陥ってしまう子どもたちの世代「思春期」に焦点を絞り、たくさんの子どもたちをみてきた専門家の方々が考える問題と解決法をまとめたシリーズです。

『ぶつかり合いの子育て(思春期問題シリーズ(1))』

浅川道雄・著
新科学出版社・刊

思春期の子どもとの関係に悩む親にとって、ぶつかり合いは避けられないテーマ。本書は、怒りや反発が生まれる背景や、親自身の気持ちの整理の仕方、子どもとの向き合い方を、多くの事例を通して紹介しています。

「わかってほしい」という思いがすれ違うとき、どう歩み寄ればいいのか――悩みの真っただ中にいる親にとって、実践的かつ温かいヒントをくれる一冊です。

『思春期の育ちを支えるー 新たな地域社会の共同へ(思春期問題シリーズ(2))

田中孝彦・著者
新科学出版社・刊

思春期の子どもを支えるには、家庭や学校だけでなく、地域全体の関与が不可欠です。本書では、地域の中で子どもと大人がどうつながり、育ち合えるかを具体的な事例で紹介。フリースペースの運営や相談の場づくりなど、共同の知恵と実践が子どもに届く可能性を探ります。「孤立させない」ことの大切さを伝える、地域と育ちのあり方を問う一冊です。

『事件の理由(わけ)〜記者が見た少年たちの心の現場~(思春期問題シリーズ(3))

毎日新聞教育取材班・著
新科学出版社・刊

新聞記者が現場で取材した少年事件の舞台裏を、冷静な視点と温かいまなざしで綴ったノンフィクション。

なぜあの子は事件を起こしたのか――その背景には、家庭の崩壊、学校での孤立、社会からの無理解が見え隠れします。一つひとつの事件の奥にある“心の現場”に寄り添い、少年たちの叫びをすくい取る文章が印象的です。メディアのあり方も問い直す視点を持った一冊です。

『それでも愛してくれますか―非行克服の現場から(思春期問題シリーズ(4))

能重真作・著
新科学出版社・刊

「子どもが非行に走っても、あなたはその子を愛し続けられますか?」――この問いに向き合う親と支援者の記録です。

家庭内暴力や深夜徘徊などに悩む親たちが、孤独を超えて子どもと向き合おうとする姿から、「愛する」という言葉の重さと強さが伝わってきます。非行を責めるのではなく、理解しようとするその営みが、子どもを変え、親もまた変わっていく過程が描かれます。

『少年非行と修復的司法 (思春期問題シリーズ(5))』

山田 由紀子・著
新科学出版社・刊

少年犯罪において、被害者と加害者の間に「対話」を通じた修復の道は開けるのか――本書は、「修復的司法」の理念と実践を、国内外の事例とともに紹介します。

加害少年が自分のしたことと向き合い、被害者の痛みを知り、償いの行動に踏み出すプロセスは、単なる“処罰”では得られない変化を生みます。刑罰中心から“関係を修復する”社会への転換を提案する、先駆的な一冊です。

雑誌『ざ ゆーす』(続刊中)

NPO法人非行克服支援センター・編
新科学出版社・刊

『ざ ゆーす』は、非行や思春期の問題を多角的に扱う定期刊行誌。非行・犯罪当事者の気持ちやその親・家族の切実な思いに応える誌面と、当事者目線で研究者や実践家が参加して編集されている、日本で唯一の交流・研究誌です。

支援現場の報告、制度・法律の動き、子どもたちのリアルな声まで、幅広いテーマを特集形式で掘り下げています。毎号異なる切り口で、非行を「社会の問題」として見つめ直す視点を提供しており、支援者や教育関係者にとって必読の内容です。